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犬の飲水量が増える原因
- 腎臓への影響と負担
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飲水量の増加と慢性腎臓病について
犬の飲水量が増える原因
犬の飲水量が増える原因
犬の1日の正常な飲水量は
体重1kgに対して50~60mlと言われています。
体重5kgのわんちゃんだとすると1日で飲む水の量が250~300mlということになります。
もちろん、健康状態や気温・室温、運動量、食事の質(ドライフードかウェットフードか、塩分濃度など)などで変わりますが、経験的にこれまでの診療でも概ねこの範囲に収まっていることが多いと感じます。
この飲水量を大きく逸脱すると病的な飲水量の増加を疑い、積極的に検査を提案していくことになります。
飲水量が増える原因は以下に挙げられます。
腎機能低下
肝不全
糖尿病
子宮蓄膿症
クッシング症候群
アジソン病
甲状腺機能亢進症
尿崩症
高カルシウム血症
薬剤の投与
心因性多飲
脱水
これらの診断には血液検査やレントゲン検査、エコー検査、ホルモンの検査等を用いますが、これらの検査と同じくらい自宅での実際の飲水量に関する情報が重要です。
飲水量が増加して日にちが経過している場合は直近1週間の飲水量を計測して病院を受診することをお勧めいたします。
腎臓への影響
飲水量が多いことを放置してよい?
飲水量増加を放置する危険性
飲水量増加の原因が病的なものであるならば、その病気をコントロールする必要があります。
飲水量の増加が生じている動物の中には、慢性腎臓病などのように尿濃縮能が低下が起きている場合があります。
慢性腎臓病では脱水により腎血流量が減少し、病状を悪化させてしまうので、積極的な飲水が必要であり、飲水の制限は行うべきではありません。
しかし、異常な飲水量の増加や不要な皮下点滴は利尿作用による腎髄質の洗い出し効果により尿濃縮能をさらに低下させ、容易に元に戻らなくさせてしまうことがあります。
飲水量の増加はしっかり原因を特定し、適切に治療することが重要です。
心当たりがある飼い主様は現在の一日の飲水量を計測し、動物病院を受診しましょう。
飲水量の増加と慢性腎臓病について
犬の飲水量が徐々に増えている場合、慢性腎臓病のサインかもしれません。
この病気は、特に中高齢の犬に多く見られますが、若い犬でも発症することがあり、腎臓の機能の一つである尿を濃縮して排泄する機能が徐々に低下していきます。
尿の濃縮能が低下すると、体は自身の体液量に関係なく正常より多くの尿を排出してしまい、その結果、犬は喉の渇きを感じやすくなり、飲水量が増加します。
慢性腎臓病では尿の濃縮能の低下だけでなく体内の老廃物や毒素などの排泄能も低下するので、この状態を放置すると体内に老廃物が蓄積し、多飲多尿に加え、体重減少、食欲不振、嘔吐、元気のなさ、口臭などが見られることがあります。
診断には、血液検査や尿検査、レントゲン検査、エコー検査などが用いられます。腎臓の機能を示す指標(クレアチニンや血中尿素窒素など)や尿の濃さ(比重)や尿中タンパク質の排出の有無をチェックすることで、腎臓の状態を評価します。治療は、食事療法や薬物療法、水分摂取のコントロールが中心で、腎臓への負担を減らすことが目標です。また、定期的な検査で病気の進行状況を確認することが重要です。
加えて、当院では水素を用いた治療もオプションとしてご提示しています。
慢性腎臓病は完治が難しい病気ですが、早期発見と適切な管理によって、犬の生活の質を維持することが可能です。
飲水量の増加に気付いたら、早めに獣医師に相談し、適切な対策を講じることが愛犬の健康を守る鍵となります。
獣医師に相談
飲水量の増加や腎臓疾患を疑う症状が見られる際は、早期に獣医師に相談することが重要です。ペットの身体のどこかに異変を感じた場合、症状を放置せずに専門家の診断を受けることで、病状の進行を防ぐことができます。
多飲多尿を伴う疾患は進行が早いものも遅いものもあり、見た目では鑑別できません。検査や診察を通じて正確な診断を行い、適切な治療法を獣医師とともに実施していきましょう。
ペットの健康を守るために、症状を放置せず、動物病院を積極的に活用しましょう。
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